猫のかかりやすい病気ランキング常に上位【腎臓病】について
~基礎知識とご飯選びのポイントまとめ~
腎臓の役割
様々な機能がありますが、代表的な役割として尿を生成します。
フィルターのような役割で血液と一緒に流れてきた老廃物などをろ過し、尿を作っています。
この腎臓が悪くなってしまうと老廃物を薄く出来ずに本来排出されるはずだった、毒性のある不要な物が血液の中に流れてしまい様々な体調不良や【尿毒症】という大変危険な状態を引き起こします。
慢性腎臓病の症状
・多飲多尿
・体重減少
・嘔吐
・下痢
・血便
・貧血
・高血圧
・口臭(アンモニア臭)
急性腎臓病の症状
・嘔吐
・意識が混濁
・呼吸がおかしい(異常に早いなど)
・突然ぐったりする
・排尿の回数が極端に減るまたは全くしない
慢性腎臓病 急性腎臓病の検査方法
血液検査
BUN・・・腎臓が体の外に出すはずのBUNが高いということは腎臓が正常に動いていない可能性がある。しかし他の病気、食後などの原因でも上がることがあるのでこれだけで判断はできない。
P(リン)Ca(カルシウム)・・・BUN同様リンも腎臓が正常に処理できていない場合に数値が上がる。カルシウムはリンと作用しあっているのでこちらも一緒に上がることがある。詳細は複雑なので数値に異変があればかかりつけ病院の先生に確認した方が良いでしょう。
電解質(Na.k.cl)・・・脱水など別の事情でもこの電解質のバランスは崩れますが慢性腎臓病の猫ちゃんも低カリウムになる事が多いと言われています。フードに含まれるカリウムを摂取するのが1番良いですが食欲が落ちているなど難しい場合はかかりつけ病院の先生に相談してみましょう。
赤血球(RBC.Hct.Hb)・・・腎臓には赤血球を作るのに必要なホルモンを出す役割もあり、それが低下するとRBC(赤血球数)Hct(ヘマトクリット)Hb(ヘモグロビン)が低下し貧血を起こします。
尿検査
腎臓の検査で尿検査はとても重要な検査です。腎臓は尿の中に老廃物を濃縮します。腎機能が損なわれると濃縮が上手くいかずに濃い尿が作れなくなります。それに伴い脱水を起き水をたくさん飲む。
沢山水を飲んだことで尿の比重が下がっていくので尿の比重が下がった時も腎機能の低下を疑います。しかしたまたまその日水を多く飲んでいた、などの一過性の可能性もあるのでかかりつけ病院の先生に相談するのがよいです。
尿検査の結果で尿タンパク、尿蛋白クレアチニンが出た場合・・・腎臓は体に害のある物や不要なものを外に出し必要なものは外に出さないように機能してくれています。腎臓病になり、この機能が上手く作用しないと身体に必要なタンパクが出てしまいタンパク尿となることがあります。しかし高血圧の影響でタンパクが出たり、尿タンパクが全て悪いのでは無く腎臓のろ過機能を通過してしまったタンパクが問題だったりと細かな判断基準があるのでタンパクの数値だけで判断することはないです。
その判断は尿タンパククレアチニン比という検査で可能になります。
尿沈渣(にょうちんさ)・・・尿を遠心分離機で回し、底に沈んだ成分を顕微鏡で確認すること。慢性腎臓病の猫ちゃんは尿が薄くなり菌が増殖しやすく、細菌感染が散見されるので検査した方が良いでしょう。
画像検査
腎臓病が進行すると腎臓の萎縮など表面上の変化が現れることもあるので腎臓や尿管、膀胱やその周辺と全体を確認するためにCTやMRI、X線、超音波(エコー)などの画像検査する場合もあります。
血圧
尿タンパクが出ている時など検査した方が良いかもしれません。筆者の猫ちゃんは腕に巻かれるのが嫌だったようでしっぽの付け根付近で測ってもらいました。
体重測定
腎臓に不調が出てきたり、その他の病気の指標として体重はとても大切です。定期的に計るようにしましょう。筆者の猫ちゃんは体重計に乗るとおやつがもらえると思ってくれるようにしたので自分で乗ってくれます。
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慢性腎臓病 急性腎臓病の食事
控えるべき成分
★タンパク質・・・排出しにくいBUNを作る為
★リン・・・排出しにくい為
★ナトリウム(塩分)・・・症状のひとつである高血圧改善、予防の為
これらに配慮した人気のご飯7点をまとめてみました。**⑥⑦は療法食ではないので参考までに。**
①サイエンスヒルズ k/d
②サイエンスヒルズ k/d 早期アシスト
③ローヤルカナン 腎臓サポート
④アニモンダ インテグラプロテクト 腎臓ケア
⑤ ダイエティクス キドニーキープ
⑥ペットライン プロフェッショナル・バランス 腎臓の健康維持
⑦オールウェル
①ヒルズ プリスクリプション・ダイエット(特別療法食)〈猫用〉 k/d ケイディー
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リンやナトリウムなどを調整し、腎臓の健康と食事量の増加をサポートし、腎臓病の愛猫の生活の質(QOL)の向上に役立つことが科学的に証明された療法食です
② ヒルズ プリスクリプション・ダイエット(特別療法食)〈猫用〉 k/d ケイディー早期アシスト
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リンやナトリウムなどを早期の慢性腎臓病の猫のために調整された、あなたの愛猫の腎臓ケアを早期からサポートする特別療法食です。k/d 早期アシストの栄養は、早期の慢性腎臓病(CKD)の猫の腎機能マーカーを安定させることが科学的に証明されています。
③ローヤルカナン 腎臓サポート
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【慢性腎臓病をサポート】猫の生活の質(QOL)の維持に配慮し、慢性腎臓病の療法食としてリンの含有量を低減。また、高消化性のタンパク質を配合。
【エネルギー含有量調整】エネルギー含有量を調整し、少ない食事量でも必要なエネルギーを摂取できるように配慮。
【独自の香り組成】慢性腎臓病による食欲低下(または食物嫌悪)に配慮し、猫が好む香りと独自のキブル(粒)の形で食欲を刺激。
④アニモンダ インテグラプロテクト(療法食) 腎臓ケア
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INTEGRA® PROTECT Nieren(腎臓ケア)は、慢性腎不全のネコ(慢性腎臓病=CKD)に対処するために特別に開発された療法食です。タンパク質とリンの含有量を減らすことにより腎機能が支えられます。この食事はグレインフリーですので、穀物不耐性のネコにも適しています。
⑤ ダイエティクス キドニーキープ
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低たんぱく質・低リン・低ナトリウム
食欲の落ちやすい腎臓病の猫のために 独自技術 (特許 第4422263号)による 「微粉砕原料」を使用することで 高い消化性を実現。
⑥ペットライン プロフェッショナルバランス
pHコントロール&エクストラケア 腎臓の健康維持 こちらは療法食ではなく腎臓などに配慮された総合栄養食です。
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腎臓の健康維持に配慮し、リン・ナトリウムの含有量を低減(リン:避妊・去勢用比約50%カット、ナトリウム:避妊・去勢用比約60%カット)。 また、またお口やおなか、関節の健康維持にも配慮。
⑦オールウェル AllWell 10歳以上の腎臓の健康維持用 フィッシュ味挽き小魚とささみフリーズドライパウダー入り
こちらは療法食では無くシニア猫ちゃんのかかりやすい様々な病気に配慮したシニア用ご飯です。
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当然ですが生き物は体に入れるもので出来ています。筆者もご飯を変えることで愛猫の体調が変化することを身に染みて体感しています。
なんとなくで選ばずにしっかりとかかりつけの先生とどのご飯にするか相談して選んであげてください。
また、どんなにがんばって選んでも猫ちゃんが食べないことも残念ながらあります。
そんな時も諦めずにお湯で香りを引き立たせてみたり、ウェットであれば電子レンジで火傷しないように人肌程度に温めてあげたり、その子がカリカリとウェットどちらが好きなのか普段から見てあげながら大変だと思いますが根気よくいいご飯を見つけてあげてください。